■罰則なしで努力義務規定へ
カスタマーハラスメントをめぐる議論が活発化している。東京都は今年度内にも、「何人もカスハラを行ってはならない」旨を明文化する全国初の条例の制定を目指す。就業者に対する著しい迷惑行為で就業環境を害するものなどと定義した上で、カスハラの禁止を罰則なしで努力義務化。一方、政府・与党は労働施策総合推進法の改正で、カスハラ防止措置を事業主に義務づける考えだが、仮に禁止に踏み込まなければ条例の内容が法律を上回ることになる。
■国は防止措置義務を検討
東京都はカスハラ防止ルールの策定に向けて、公労使による新しい東京実現会議の下に検討部会を設置。今年度内の制定を見据え、全国で初めてとなるカスハラ防止条例案の大枠をまとめた。
カスハラは、「就業者に対する著しい迷惑行為で就業環境を害するもの」と定義。暴行や脅迫などの「違法な行為」か、申出の内容や行為の手段・態様が社会通念上相当でない「不当な行為」かに該当すれば、著しい迷惑行為と判断。その上で、「何人もカスハラを行ってはならない」旨を、罰則なしの努力義務として規定する見通しだ。
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