木曜日, 11月 21, 2024

経営者が働きがいを高める必然性について腹落ちし言語化するための3つの要点(荒川陽子)

■“私”から始まる職場の働きがい改革

荒川 陽子(あらかわ・ようこ) Great Place To Work® Institute Japan 代表
▶2003年HRR株式会社(現 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)入社。営業職として中小~大手企業までを幅広く担当。顧客企業が抱える人・組織課題に対するソリューション提案を担う。2012年から管理職として営業組織をマネジメントしつつ、2015年には同社の組織行動研究所を兼務し、女性活躍推進テーマの研究を行う。2020年より現職。コロナ禍をきっかけに働き方と生活のあり方を見直し、小田原に移住。自然豊かな環境での子育てを楽しみつつ、日本社会に働きがいのある会社を一社でも増やすための活動をしている。著書に「働きたくなる職場のつくり方」(かんき出版)。

「働きがい改革」において経営者に期待される役割とはどのようなものか、考えていきましょう。

働きがい改革の起点は経営者のコミットメントだと考えます。もちろん、従業員の発案や人事部からの提言により改革がスタートすることもありますが、経営者がなぜ、何のために自社の働きがいを高めたいのかについて腹落ちしていない限り、改革はうまく進んでいきません。なぜならば、働きがいを高めるというお題目は反対意見を持ちにくいテーマである一方で、実際に改革を進めていこうとすると多くの壁にぶち当たり、その乗り越え方には方法論がいくつもあるためです。

A案を採択して実施してみてうまくいかなかったとなったときに、諦めずに改善策を打ち続けるためには、経営者の方針やゴールへの熱意が必要です。

経営者のコミットメントとは、経営の必然性として働きがいを高める目的を言語化し、あるべき姿・目指したい組織像をミッション・ビジョン・バリューのような形でビジョナリーに設定することです。具体化しておくと、次の3点を明確にすることだと考えます。

①外部環境や会社の現状をどのように捉え、未来をどうしようと考えているのか
②従業員にはどのような行動を期待するか
③従業員には仕事にどのような意義や価値を感じ、やりがいを持ってもらいたいのか

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