月曜日, 5月 6, 2024
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認めていない在宅勤務の労働時間 国・天満労基署長〔大広〕事件(令和4・6・15大阪地裁判決)

■私的な非違行為の顕在化 業務起因性はないと判断

うつ病を発病し、自殺した労働者の妻が、自殺は業務上の事由で精神疾患を発病した結果であるとして、労災給付の不支給の決定を受けた処分の取り消しを求めた事案ですが、請求は棄却されています。

労働者は、メディアのコンサルティング業務を行う会社に昭和55年に入社。イベントプランナーとして勤務し、平成22年4月に、うつ病を発病し、同年5月に自殺しました。同年4月に、関係者しか知りえない舞台情報を会社に無断でブログに掲載してクレームを受け、その削除を余儀なくされた経緯があります。個人のノートを用いて業務を行っていたことも特徴です。

裁判では、①長時間労働、②連続勤務、③クレームを受けたこと、の心理的負荷の強度について精査しました。①については裁量労働制で業務量も特段多いわけではなく、発病1カ月間の労働時間は45時間以上で心理的負荷は「弱」か「中」としました。②については、心理的負荷は休日労働を行った程度で「弱」と判断しました。

③については、私的なブログに業務で知り得た情報を無断で掲載することは非違行為であって、そのことで責任を問われたことによる心理的負荷は、業務上の負荷として評価することは相当ではなく、評価するとしても、処分が小さいことから強度は「中」と評価しました。

個人のパソコン使用については、それを利用した業務が特定できず、成果物も明らかではなく、要した時間を労働時間と見ることができないと判断されました。

■判決の要旨 具体的な業務特定できず 成果物も明らかではない

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