経団連はこのほど、全70項目にのぼる2023年度規制改革要望を公表した。副業・兼業の労働時間について割増賃金計算での通算を見直すべきと提案したほか、深夜労働についても回数制限を設けた上で、割増賃金規制を適用しないよう要求。また経団連はこのほか規制改革推進会議で、在宅勤務手当を割増賃金の基礎となる賃金の除外項目として追加するよう求めており、労働基準法令の見直しの議論が今後活発化する可能性がありそうだ。
■在宅手当の基礎から除外も
23年度規制改革要望のうち、労働分野の改革事項は柱の一つ「人への活躍」に集約。なかでも労働基準法、とりわけ割増賃金規制の見直しに踏み込んでおり、労働政策審議会での今後の法令改正の議論に影響を与えることが十分考えられる。
まず国全体をあげて副業・兼業を推進する上で最大の障壁となっているとして、労基法37条1項などで定める労働時間の通算ルールの見直しを要求した。真に自発的な本人同意があることを大前提とし、かつ管理モデルを用いた時間外労働の上限規制内の労働時間の設定、一定の労働時間を超えた場合の面接指導などその他の健康確保措置が適切に行われていることが条件。その上で、副業・兼業を行う労働者の割増賃金の計算に当たり、それぞれの事業場での労働時間を通算しないこととすべきと明記した。
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