三菱電機(東京都千代田区)は来年4月1日以降入社の新卒採用から、応募・選考段階でさらなるジョブマッチングを行う制度を新たに導入した。
事務系職種採用では、採用内定後に適性や本人希望を踏まえて配属を調整・決定する「オープンコース」を適用してきたが、技術系職種と同様に応募・選考段階で入社時の配属先をあらかじめ定めることができる「職種確約コース」を新設した。「経理・財務」「資材調達」「人事・総務」「法務・知的財産渉外」といった職種ごとに募集コースを設置し、採用活動に配属先となる職種の従業員が積極的に関与。明確化した配属後の業務イメージを応募者と共有することで、選考段階で離脱や入社後の配属希望とのアンマッチを防ぐ。
一方、技術系職種採用では、事業領域や職種、勤務地などを考慮して選考段階で配属先をあらかじめ定める導入済みの制度を更新。「AI・データサイエンス」「パワーエレクトロニクス」など、希少かつ高度な技術領域などでの活用を前提に、入社後の給与や賞与といった処遇条件を提示できるようにする「配属先指定リクルート制度PLUS」へと改めている。
介護付有料老人ホームを運営する日本老人福祉財団(東京都中央区)は創立50周年を迎えるに当たって新制度を制定し、4月1日から導入した。
役割を担える能力に応じて、L・M・SP・S等級に分けて、各等級に1~3までの三つの区別を設定し、職員の役割と成果によって評価を決定するように改めた。特に最上位のL等級の評価には新たに、高いパフォーマンスを発揮している職員に共通する行動特性を評価基準とする行動評価(コンピテンシー)を適用。一方、S等級には、介護や看護、調理栄養、機能訓練、総務、経理、募集、維持、医療事務、システムの10種類のキャリアラダーを設け、目標管理による評価に基づく昇進・昇格と、人材育成が連動するような工夫を講じている。
アデコグループでIT・エンジニア派遣を展開する旧Modis(東京都港区)は4月1日、AKKODiSコンサルティングへと社名を変更するとともに、新たな人事制度を導入。コンサルティング企業への変革に伴って、従業員の自律的な働き方と自己成長を支援するため、ジョブ型人事制度や給与報酬体系の変更などに着手した。
ジョブ型人事制度については、全従業員を対象にジョブグレードに基づく評価・報酬制度を適用する。取引先企業の事業変革や価値向上に貢献した社員に対して、インセンティブ賞与を支給するほか、成果が報酬に反映される報酬体系に変更。またマーケットでの人財獲得競争力の強化を目指し、新人事制度導入に際して全社平均で7.3%のベースアップを行い、高度専門職の新卒社員にマネージャー職相当となる「800~1千万円」の給与テーブルを用意するなど、今年4月入社の新卒社員の初任給を18%アップさせている。
三菱食品(東京都文京区)も4月1日から、社員の成長とチャレンジする組織風土への変革を目指し、人事制度を改正。従前の年齢や勤続を基準とする制度から、役割や職責を基準とする制度へ見直すと同時に、報酬体系の変更で従業員の賃金を7%増額している。