厚生労働省はこのほど、労働協約の地域的拡張の適用を決定した。「年間111日以上の休日の付与」「休日労働の割増賃金率35%」などを定めた労働協約が、青森・岩手・秋田3県の大型家電量販店の正社員に6月から適用される。拡張適用は2021年9月に茨城県全域に適用されて以来で、都道府県をまたいだ決定は初めて。労働協約の効力は同業他社にも及び、労働組合のない企業の労働者の労働条件の切り下げなどから保護することができる。
■都道府県またぐ決定は初
労働協約の地域的拡張適用は、労働組合法18条に規定。一定の地域の同業種の労働者の大部分が一つの労働協約の適用を受ける場合に、その労働協約の内容を当該地域の同業他社の労働者にも適用させることができる。
地域内の公正競争を確保し、労働条件の切下げなどから労働者を保護する狙い。地域的拡張適用自体は、約1年半前に茨城県全域で32年ぶりに決定されて以来となるが、都道府県をまたぐ決定は国内初のケースとなる。
今回の地域的拡張適用は、ヤマダホールディングスユニオンとデンコードーユニオンの申立により、中央労働委員会の決議を受けて厚生労働大臣が決定。同業他社も含めて、青森・岩手・秋田の東北3県全域の大型家電量販店で雇用される正社員は、休日日数など労働協約で定めた内容が拡張適用されることになる。労働協約の定める労働条件を下回った場合は無効となり、無効となった部分は労働協約が定める最低基準が適用される。
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