■ベア実施でモチベーション向上狙う
帝国データバンクの調査によると、2026年4月入社の新卒社員の初任給を「前年度から引き上げる」企業割合は67.5%で、前年度比3.5㌽減と低下した。世代間の不公平感の高まりを鑑み、人件費を初任給だけでなく既存社員に対する賃上げに振り向ける動きがみてとれる。

環境・医療関連機器製造販売の荏原実業(東京都中央区)は1月1日付けで、給与水準を改定した。「人的資本の最大化」というサステナビリティ戦略として、人材確保だけでなく定着にも重点。執行役員を除く正社員を対象に、月平均3万7420円増額し、平均昇給率は10.4%と二桁の大台を超えている。

松屋フーズホールディングス(東京都武蔵野市)は4月の改定で、従業員満足度向上施策の一環として正社員の給与を10.06%引き上げる。賃上げ率は24年の10.90%、25年の10.12%に続き3年連続で二桁増を記録。定期昇給分とベースアップ分が6.13%を占め、残りは期末賞与の支給、住宅手当の増額、その他の福利厚生サービスの拡充による賃上げとなる。

不動産デベロッパーのコスモスイニシア(東京都港区)はアルバイトを除く全従業員の給与を、4月支給分から評価に基づく昇給や給与テーブルの改定を含み約9.9%増額。23年の約7%、24年の約6%、25年の約8.6%を上回り、物価上昇が続くなか従業員が安心して働ける環境を整え、モチベーションを向上させる狙いだ。

山梨中央銀行(山梨県甲府市)は1月に、パートタイマーの時給について一律100円の賃上げを実施。物価上昇への対応と職員のモチベーション向上が目的で、賃上げ率に換算すると7.0%の引上げとなった。

ユー・エス・ジェイ(大阪府大阪市)は3月1日付けで、正社員の給与について平均6.5%の昇給を実施した。パーク開業25周年に向け、観光人材に対する包括的な投資を促進。パート・アルバイト従業員の時給も一律70円引き上げ、改定後の時給を1330~1660円に設定した。
すかいらーくホールディングス(東京都武蔵野市)は26年春季交渉で、4年連続で満額回答することで合意。対象は4千人を超える正社員で、定昇分とベア分を足した5.35%に加え、0.3カ月分を特別業績一時金に上乗せすることで改定率は6.8%になる。

佐賀銀行(佐賀県佐賀市)は7月から、定昇を含み6.0%程度の賃上げを実施。従業員のモチベーションとエンゲージメントの向上を目的に、3年連続の賃上げに踏み切る。

モスフードサービス(東京都品川区)は4月分の給与から、全社員の給与を3年連続で引き上げる。定昇分が2%、ベア分が3%で昇給率は平均で5%となり、会社への信頼とエンゲージメントの向上に繋げる。

菓子製造の春華堂(静岡県浜松市)は4月度給与から、家計負担軽減を目的にベアを実施。既存社員は基本給を1人平均4.5%、契約社員とアルバイトは時給を100円増額する。

徳島大正銀行(徳島県徳島市)は、7月からベアを実施。定昇分と合わせた賃上げ率は行員が平均4.2%程度で、嘱託・パートタイマーを含む全従業員平均で4.3%程度となる。

不動産関連事業のオークハウス(東京都豊島区)は1月に給与体系を改定し、3年連続でベアを実施。ベアは23年以降3回目で、全従業員の給与を一律6万円引き上げる。

システム受託開発のフォーカスシステムズ(東京都品川区)は、4月分の給与からベアを実施。正社員で、一般職は一律月額2万円、管理職は一律年額20万円増額する。また医療関連システムのエム・オー・エム・テクノロジー(東京都千代田区)は1月分給与から、全社員に一律1万円のベアを実施。外食チェーンの物語コーポレーション(愛知県豊橋市)は昨年11月分の給与から、最大で1万円引き上げた。


