■Dr.山本 19万件のメール相談から読みとく働く人のメンタルヘルス⑰
Q 部下が急に怒りっぽく…更年期障害では――？【50代男性、経理部】
いつもきっちりしていた女性の部下が、最近急に怒りっぽくなり、かと思うと会議で居眠りをしたりということが続いていて、年齢的に「更年期特有の症状では」と考えています。ただ、直接本人に確かめるわけにもいかず、どう対処すればよいのか迷っています。
Answer
1948年東京生まれ。72年東北大学医学部卒、医学博士。東北大学医学部附属病院などを経て、98年から現職。2000年に始めた「勤労者こころのメール相談」は25年間で相談件数19万件に達する。日本医師会認定産業医。日本心療内科学会功労会員。
部下の変化に気づき、それを気にかけているあなたの姿勢は素晴らしいです。確かに、仕事のパフォーマンスや態度の変化は何かしらの背景がある場合が多いです。更年期障害の可能性も頭をよぎるかもしれませんが、その判断は医療的な領域ですし、本人に直接そう尋ねるのはデリケートすぎます。まずは、症状の背景について推測や決めつけを避け、本人が話しやすい環境を提供することが大切です。
仕事のパフォーマンス低下や態度変化が見られる際は、上司としてのアプローチとして「業務を通した観察」の形で丁寧に接することが重要です。
たとえば、日常のコミュニケーションの中で、「最近疲れていないか？」「仕事で負担を感じる部分があるなら教えてほしい」といったように、体調や業務負担について話題を投げかける形で対話を始めましょう。
このとき、プライベートな背景に踏み込むのではなく、あくまでも仕事に関連した課題を一緒に解決したいという姿勢を示すことがポイントです。
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