
外務省国際情報局局長として接した「スパイ」の実際の姿。思考の多様性、母国以外の価値観との接触が著名なスパイの特徴と著者。「母国で主流を担う価値観を絶対視しない」のもスパイの特徴という。
現実世界では華々しいスパイの時代は終わっている。高度に発達した盗聴システムがそれに代わっているからだ。それでも、世界には依然として強力な情報機関がある。
陰謀論をどう捉えるかも本書の醍醐味。歴史を陰謀から考えるのもよい。著名人の活動からスパイの本質も見えてくる。「オードリー・ヘプバーンのスパイ活動」「ヘミングウェイはスパイだったのか」と驚きの一冊。