労務管理に特化するだけでなく、人事制度や組織開発といった分野にも業務範囲を広げていくべきではないか――。社会環境の変化に伴って社会保険労務士に求められる需要にも移り変わりが見られるなか、実務に携わる社労士からも提言がなされている。11月に都内で行われた日本人事労務コンサルタントグループ(LCG)全国セミナーでの議論から紹介する。
全国社会保険労務士会連合会が11月に発表した実態調査では、受託業務のなかで「手続き業務」が4割以上を占める開業社労士の割合は47.5%で最多となっている。一方、過去と比べた需要の変化(図)については、最多が「労働および社会保険に関する相談業務」で「増えた」と「やや増えた」を合わせて計71.5%、「各種規程作成、改定、整備」は同66.2%と、相談業務や規程・制度に関する需要が高まっていることがわかる。
セミナーに登壇した、自立した人と組織を育成する協会代表理事の下田直人社労士は、「『人』に向き合っていく企業の意識が高まるなか、社労士に求められるのは『労務管理+α』」と指摘。「人事と、労務やそれに関わる法律は元々切り離すことはできない。トータルで捉えた組織づくりや組織開発に関わっていくためにも、社労士の専門性をいかした『心のマネジメント』が求められている」と強調した。
■人事制度「運用」こそ
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