水曜日, 11月 20, 2024
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「休み方」が左右する労災リスクと生産性 勤務間インターバルへの関心高まる

働く時間の長さを見直す働き方改革が進むなかで、仕事以外の休息時間に着目した休み方の視点から「勤務間インターバル」が注目されている。日々の終業から始業までのオフの時間を確保する考え方で、労働災害の認定では主要な負荷要因となるなど安全衛生面での対策の重要性が高まっている。健康経営の面では、従業員の十分な休息が仕事への活力や熱意といったワークエンゲージメント、さらに企業の利益率向上につながるという実証的な効果も指摘されている。現状と課題を探る。

■労働時間以外の負荷要因でトップに

10月に閣議決定された2024年過労死等防止対策白書によれば、2021年9月から22年3月までの脳・心臓疾患による労災認定事案のうち、労働時間以外の負荷要因は「勤務間インターバルが短い勤務」「拘束時間の長い勤務」が24件で最多だった。


近年、交代制勤務やシフト勤務などが増加傾向にあるなか、労働時間の「長さ」だけでは測れない健康被害が注目されており、21年9月には脳・心臓疾患の労災認定基準が改定された。労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定する点が明確化され、労働時間以外の負荷要因として、「拘束時間の長い勤務」など既存の要因に加えて「勤務間インターバルが短い勤務」「休日のない連続勤務」などが追加された。労災のリスクを回避する労務管理上の観点でも、重要性が高まっていることがわかる。

勤務間インターバルの現状について、白書は2010年から20年までの長時間労働による脳・心臓疾患での労災認定2266事案を分析。産業別に、インターバルが9時間未満、9~11時間、11時間以上に分け、労働日ごとの割合を示したのが下図だ。過重業務の判断では、勤務間インターバルが11時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性などについて評価されるため、11時間、あるいは9時間のインターバルを確保できない日がどれくらいあるかが健康確保では重要となる。


業種別にみると、9時間を確保できない割合は、「漁業」(26.8%)、「運輸、郵便」(19.7%)が特に高い。9~11時間未満をあわせると、上記のほか「情報通信」(43.1%)、「学術研究、専門・技術サービス」(42.8%)、「宿泊、飲食サービス」(42.8%)などが比較的高くなっている。

■従業員の睡眠時間と企業の利益率に相関関係

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