フリーランスやギグワーカーについて、欧米の法や判例がどう扱って来たかを概観できる。
著者が研究を開始した30年前は規制緩和の時代で、労働者を自営業者化することでコストを削減しようという動きが問題になっていた。ドイツ労働法の研究者となり、海外法を学んだ視点でフリーランス新法を見る。
ドイツの法学者ヴァンクの見解も引用されている。「法律学における概念には、すべてその反対概念がある。法規範の適用とは、『あれかこれか』の二者択一的な判断であるからだ。労働者の反対概念は自営業者であり、自営業者とはいえない者が労働者である」。
フリーランスとは何かを問いながら、労働法を考える。