■Dr.山本 18万件のメール相談から読みとく働く人のメンタルヘルス⑨
Q 労働制限のせいで働きたくても働けません【40代男性、開発職】
働き方改革の名のもとに、社内で長時間労働について厳しく制限されるようになりました。私は昔から、時間に制約されるのが苦手で、また夜になると作業がはかどるタイプなので、パフォーマンスが落ちている気がします。仕事が生きがいで、好きで長時間働いているのに、何が悪いのかわかりません。
Answer
昨今のICTの発展は目覚ましいものがあり、いつでもどこにいても働くことができる時代になりました。私が365日休まずメール相談を続けられているのもその1つです。
そのような現代社会において、画一的な労働時間規制に反感を持たれることは理解できます。しかし逆に言えば、「望めばどこまででも仕事ができる」ということは、医学的な観点では恐ろしいことでもあるのです。
呼吸や体温、血圧、心拍、消化、代謝、などの生命活動を担う神経を自律神経といいます。この自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。交感神経が高まると、血管が収縮し、心拍数や血圧が上昇して、緊張・興奮状態になります。逆に、副交感神経が高まると、血管が拡張し、心拍数や血圧が下降して、リラックス状態になります。それぞれ車でいうアクセルとブレーキのような働きをしているのです。
働いているときは、交感神経が優位になります。適度なストレスは、適度な緊張を生み出し、よい意味でのハリが出ます。しかし、このような状態が必要以上に強まったり長く続いたりすると、心身に悪影響を及ぼします。
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