中央最低賃金審議会は7月25日、2024年度の地域別最低賃金額改定の目安を答申した。労働者の生計費を最重要視し、A・B・Cランク全てに引上げ額の目安として50円を一律で提示。最低賃金の全国平均は1004円から1054円に増加し、地域間格差の比率は80.2%から81.1%へ縮小する見通し。1千円超えの都道府県も、現行の8都府県から16都道府県へと倍増する。
■16都道府県で1千円超え
目安の実質的な審議は例年通り、小委員会で実施。5回にわたり丁寧に議論したが、労使の意見は一致することなく、今年度も公益委員見解を中央最低賃金審議会に報告することで決着をみた。
公益委員が提示した24年度のランク別の引上げの目安額は、Aランクの6都府県、Bランクの28道府県、Cランクの13県ともに50円。仮に目安通りに47都道府県の全ての地方最低賃金審議会が改定を決めると、最低賃金の全国平均は現行の1004円から1054円へと最大の増額幅を記録することとなる。
目安審議では、「30年半ばに1500円まで引き上げる」とした政府方針に沿い、公益・労働者・使用者各側委員の議論は白熱した。労側は最低賃金近傍の労働者の生活に配慮すべきとして、前年度を大幅に上回る目安の提示を要求。一方、使側も最低賃金の引上げに理解を示したが、中小企業を圧迫するコストの増加や労務費の転嫁が不十分だとして、大幅な引上げの回避を訴えた。
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