人事労務に関する情報を開示するためには、それを定量的に測定するための基準が必要となる。例えば、職場の多様性は女性役員比率として、スキル・能力開発は研修の総費用として数値で表すこともできる。「人的資本の情報開示」を11の項目、58の指標で標準化した国際規格が、ISO30414(人的資本の情報開示のためのガイドライン)だ。
スイス・ジュネーブに本部のある国際標準化機構(ISO)が、2018年に同指針を発行。20年には米国の証券取引委員会が上場企業に人的資本の情報開示を義務付けるなど、国際的に企業の情報開示への関心が高まる中で、準拠すべき指標の一つとして関心が高まっている。
■国内で14の認証企業
日本国内では、22年3月にリンクアンドモチベーション(東京都中央区)が初認証されて以降、これまでに計14社が認証を取得。認証企業の開示レポートでは、対外開示が推奨される指標について、各社がそれぞれ重視する人事施策のポイントに沿って開示していることが分かる。
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