規制改革推進会議はこのほど、利用者起点の社会変革に向けた答申案をとりまとめた。労働分野の規制改革事項として、副業・兼業について割増賃金算定時の労働時間の通算管理の見直し、禁止される競業行為の緩和などの検討を示唆。一方、6月7日にまとめた新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版では、最低賃金全国平均1500円への引上げを目指すことや、ジョブ型人事指針を今夏にも策定することを明記している。
■ジョブ型人事指針を策定
規制改革推進の答申案といわゆる成長戦略の改訂案で、次なる労働分野の改革事項の概要がみえてきた。6月中にも、いわゆる骨太の方針と合わせて閣議決定する。
規制改革では、高生産性産業への労働移動を後押しする狙いで、副業の円滑化に向けた方策を明記。まず副業を行う労働者の健康管理のために、副業元・先双方での労働時間の通算が必要とする一方で、割増賃金算定に関する労働時間の通算を見直すよう求めた。
欧米諸国で割増賃金算定時に労働時間を通算していないことに加えて、複雑な制度が副業の送り出し・受け入れを企業に躊躇させていると指摘した。具体的には、労働基準法の見直しの議論を行う労働基準関係法制研究会で、関係法令の行政解釈の変更も含めた検討を示唆。経団連も同様の要望を出しており、実現の可能性が一気に高まったといえそうだ。
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