金曜日, 11月 22, 2024
ホーム判例迷惑行為に関連して通勤でケ...

迷惑行為に関連して通勤でケガ 中央労働基準監督署長事件(令和5・3・30東京地裁判決)

■通勤の中断中、中断後に該当 迷惑行為は解消されているので

原告は帰宅途中の車内で、迷惑行為を行っていた男性を注意したことなどから蹴られて負傷し入院に。労災給付を請求したところ、不支給処分となったため処分庁を相手に提訴。判決は電車から降りて喧嘩しケガをしたため、迷惑行為は解消されており、通勤との関連性は希薄で不支給処分は妥当と判断しています。

■判決のポイント

原告はファミリーレストランで調理関係業務に従事。令和元年12月1日午前0時過ぎごろ業務を終え、最寄りの駅から電車に乗ったところ、迷惑行為を行った中年男性を車内で注意し、後にはホームに降り喧嘩に。男性から蹴られ病院に搬送され左脛骨顆間隆起骨折と診断され入院し、3月まで欠勤しました。原告は療養給付や休業給付等を請求しましたが、処分庁が不支給処分に。原告は審査請求を行った後、本件訴訟を提起しました。

主な争点は、本件訴訟が通勤の中断中又は中断後に生じたかどうかです。被告は喧嘩の暴行の証拠がなく、加害者による暴行や経緯も不明であるとしました。また、原告の主張どおり、加害者の暴行があったとしても対応は通勤に付随する行為ではなくその目的が通勤の継続にあったとはいえないとしました。

被告はホームでの喧嘩で生じたのだから通勤の中断中に生じたと主張し、労災保険法7条1項3号の「通勤」には該当しないとしました。

判決も、「当該負傷等の結果が被災労働者の通勤に内在又は通常随伴する危険が現実化したものであると評価し得るものであることを要する」と前提を述べ、中断に当たるかどうかについて「迷惑行為を行う者に注意を与えることは通勤行為に当たらないことは明らかであるし、加害者による暴行は原告にたしなめられたことに起因するので、通勤の機会に発生したものであるとしても、通勤との関連性は希薄であって、全体として一連の通勤と評価することは困難」と判断しています。

■判決の要旨 属人的な対立に起因して生じた可能性は否定できない

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