労災保険の休業補償給付をめぐり昨年末、厚生労働省は被災者の平均賃金の算定方法を定める通達を改正した。賃金額が確認できない場合に、健康保険の標準報酬月額を用いることを許容し、厚生年金保険の標準報酬月額の見直しの議論に影響を与えそうだ。
従前の通達では、業務上疾病の診断確定日にすでに離職し、支払賃金額の記録が確認できない場合の平均賃金の算定方法などを指示。厚生年金保険の標準報酬月額が明らかであれば、これを「基礎として平均賃金を算定しても差し支えない」と明記していた。
通達改正の発端となったのは、被災者遺族が未支給の休業補償給付の支給を請求した事案だ。支給決定に当たり、離職時賃金が不明だったことから、厚生年金保険の標準報酬月額を用いて平均賃金を決定。適用されていた最上級の標準報酬月額で平均賃金を算定したが、被災者遺族は不服として審査請求していた。
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