土曜日, 11月 23, 2024

今年のテーマはサバイバル(深沢孝之)

新・働く人の心と体の心理学 第62回 著者:深沢孝之

今年もよろしくお願いします。「明けましておめでとうございます」と言いたい空気が、今年の正月は吹っ飛んでしまいました。1月1日の元旦、能登地方に大きな地震があり、2日には羽田空港で日本航空機と海上保安庁の飛行機が衝突し大事故になりました。この原稿を書いている時点で、能登の地震では死者は80人にもなりそうで(1月11日記事配信時現在の報道で死者数213人:編集部注)、飛行機事故では海上保安庁の職員5人が亡くなったとのことです。よりによって正月に大きな災害と事故が立て続けに起こり、今年はどのような年になるのだろうかと、不安に思った人も少なくないでしょう。

私は長年、「山梨臨床心理と武術の研究所」という名前でブログをやっています。インターネットの世界にブログが登場した頃からやっているので、もう15年以上になります。タイトルの通り、山梨の歴史や文化に関すること、心理学やメンタルヘルスの情報、趣味の武術についてなど、幅広く好きなことを書いています。本連載記事のネタ探しにも役立っています。そのブログに今年元旦にアップした記事で、「今年のテーマは、サバイバルかな」と書きました。今年は戦争、紛争、自然災害、経済の変動などが日本を襲う可能性があることや、これまで隠されてきたものが表に現れて、私たちのものの見方が大きく変わる年になるのではないかと言いました。まるで占い師や予言者みたいなことを書いていますが、私が信頼する識者たちが言っていることを総合して、私の直観を加味するとそう思わずにはいられなかったからです。そして今年のキーワードは何かと考えた時に、これまでのような、どうやって豊かになるかとか夢を実現するかといった自己啓発系の内容より、またどうやってストレスに対処してうつ病を防いだりするかといったメンタルヘルス系の情報よりも、どうやって生き残るか、つまりサバイバルするかがテーマになるのではないかと、やや大げさに書いたのでした。

そうしたら、正月早々の大地震と大事故で、「こんなにいきなり来るか」と私自身が驚きました。もちろん自然災害と事故ですから、正月だろうといつでも起こりうるので偶然でしょうけれど、やはり不吉に思わずにはいられません。

サバイバルがテーマの社会なんて、明らかに良い社会ではありません。最近のメンタルヘルスの世界では「心理的安全性」という概念が人気で、労働意欲や生産性、創造性が高い企業や組織を作るためには、メンバーにとって心理的に安心感や安全感を持てる場を作ることが必要と言われています。ところが今それが、社会的に脅かされることが多くなるかもしれません。

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