2023年3月末以降に終了する事業年度から、有価証券報告書などに「人的資本開示」が一部の企業で義務づけられたが、認知度をはじめ課題は山積している印象だ。
リクルートマネジメント・ソリューションズの調査で、経営者から現場社員までの800人に人的資本開示の義務化について尋ねると、49.1%と約半数が「初めて知った」と回答。義務対象の上場企業に限っても41.5%と高く、このうちの経営者と人事担当者181人に絞り込んでも22.1%と2割を超えた。
人的資本とは、人材をコストではなく「資本」ととらえる考え方。国内外で投資先を選ぶ重要な指標になってきているのを背景に、7分野19項目の開示を推奨。とりわけ、人材育成方針や社内環境整備方針のほか、従業員の状況として「女性管理職比率」「男性育児休業等取得率」「男女間賃金格差」の情報開示が義務づけられている。
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