■ 働く人を訪ねて OFFICE HOUR 第7回

ケア労働やジェンダーが専門の実践女子大学の山根純佳教授は、「違う専門性で働いている人たちと問題を共有して対話する」のが研究者のやりがいと語る。女性の就業率や賃金の上昇には、ケア労働の「外注化」がセットだとした上で、外注化には現場で行われているケア時間に対する投資を通じた労働条件の改善が必要だと力を込める。教員が学生の質問や相談に応じる〝オフィスアワー〟に山根さんの研究室を訪ねた。
――現在の研究テーマについて教えてください。
訪問介護サービスを担う介護ヘルパーの労働条件について、10年ほど調査を続けています。
2000年の介護保険制度への移行は、介護を社会化すると期待されましたが、低賃金のケア労働者を生み出しており、非正規の女性たちが担っています。移動時間は給料が発生しないため、拘束時間の約4割が移動などの不払いの労働で、フルタイムで働いても月収12~13万円といった世界です。サービスが必要な時間だけ呼び出される、ギグワーカーのような働き方が広がっており、実際は最低賃金以下の労働になってしまっています。
一方、利用者側も消費者としてサービスを選択して、良いサービスが市場に残るといったロジックが浸透しています。そのロジックで本当に介護が成り立つのかというと、結局は「儲かる企業が儲かる利用者を選択して生き残る」といった、購入できる層とできない層の格差を生み出しています。
――訪問介護の現場でもギグワーカーが広がっているのですね。
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