月曜日, 2月 16, 2026

年金制度改正の柱① 被用者保険の適用拡大(小川伊知郎)

■年金数理人が解説 基礎から読み解く年金制度改革法

小川 伊知郎(おがわ いちろう)
東北大学理学部卒。2016年4月第一生命保険㈱支配人、18年4月㈱第一生命経済研究所研究理事。同年5月~22年6月(公社)日本年金数理人会理事長。25年退職。現在、同会会員として年金数理人の業務に携わる。年金制度の基礎から理解を深める解説に定評がある。

今回から年金制度改正法の中身の説明に入ります。中心となる「働き方に中立的で、ライフスタイルの多様化等を踏まえた制度を構築するとともに、高齢期における生活の安定及び所得再分配機能の強化を図るための公的年金制度の見直し」は「被用者保険の適用拡大等」「在職老齢年金制度の見直し」「遺族年金の見直し」「厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ」「将来の基礎年金の給付水準の底上げ」の5つです。今回はまず、被用者保険の適用拡大を取り上げます。

■適用拡大の変遷

被用者保険の適用拡大とは、公的年金制度の2階部分で会社員・公務員などが加入する厚生年金保険の加入対象範囲を拡大するということです。

改めて考えてみると、1階部分の国民年金(基礎年金)には自営業者、学生、専業主婦・主夫も含めた20歳以上の全国民が加入しているので、厚生年金保険も本来被用者全員が加入するのが自然ですが、保険料が労使折半であるため、企業サイドの負担に鑑みて一部加入対象としていない者がいます。

具体的には図の通り、2023年度時点の雇用者5740万人のうち「フルタイムか否か」「勤務時間」「賃金水準」「企業規模」などで制限された4700万人、率にして81%しか加入していない状況です。このうちフルタイム以外、週20時間以上勤務、月額8万8千円以上の賃金、企業規模51人以上の110万人、率にして2%弱は20年の法律改正で新たに適用拡大となった部分です。


■今回の適用拡大

今回決まった内容は次の3点です。

①フルタイム以外の賃金要件を撤廃するとともに、企業規模要件を27年10月1日から35年10月1日の間に段階的に撤廃する。

②常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種を無くす。ただし、既存の事業所は経過措置として当分の間適用としない。

③労働者の保険料負担を軽減できることとし、労使折半を超えて事業主が負担した保険料を制度的に支援する。

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