■労政審で労働時間法制見直し検討(岸本武史 労働基準局長)
2025年の年頭に当たり、改めて日頃の労働基準行政への御理解と御協力に感謝申し上げますとともに、今後の労働基準行政について述べさせていただきます。
第一に、賃金の引上げについてです。
最低賃金については、昨年、1978年度に目安制度が始まって以来最大となる全国加重平均51円の引上げが行われ、1055円となりました。政府においては、2020年代に全国平均1500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けていくこととしており、中小企業が持続的に賃上げできる環境整備が一層重要となってきます。
このため、中小企業の賃金引上げと設備投資等に対して、業務改善助成金による支援を続けます。さらに、関係省庁と連携して、生産性向上を始めとする各種支援策・好事例等の周知広報、価格転嫁の徹底などに取り組んでまいります。
第二に、労働安全衛生対策についてです。
労働者の健康と安全については、個人事業者等の安全衛生対策の推進、ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策の推進、化学物質の新たな自律的管理制度の施行や規制対象物質の拡大への対応、高年齢労働者の労働災害防止等、様々な課題が生じています。
このため、これらの課題への対応等について、関連する検討会での議論等を踏まえ、昨年4月から、労働政策審議会安全衛生分科会においてご議論いただいているところであり、法的整備も含めた所要の措置について、引き続き検討を進めて参ります。
第三に、働き方改革に関する対応についてです。
昨年4月から、建設業、自動車運転者、医師等にも時間外労働の上限規制が適用されています。これらの業種・業務においても、時間外労働の上限規制が遵守されるよう、関係部署、関係省庁と連携を密にしながら、引き続き丁寧に指導、助言を行ってまいります。
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