木曜日, 12月 5, 2024

Re: うつ病を公表するか迷っています(山本晴義医師)

■Dr.山本 18万件のメール相談から読みとく働く人のメンタルヘルス⑪

Q うつ病を公表するか迷っています【40代女性、事務職】

 うつ病になり、しばらく仕事から離れていましたが、このたび社会復帰できました。新たな職場の上司とは話をして、理解してくれています。ただ「職場全体の理解を得るために、他の社員にも病気のことを話した方がいいのではないか」と言われ、迷っています。以前の職場では、中には責めたり、腫れ物に触るような扱いをする人もいました。過去が過去なだけに、知られるのが怖いのです。

Answer

山本 晴義(やまもと・はるよし) 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
▶1948年東京生まれ。72年東北大学医学部卒、医学博士。東北大学医学部附属病院などを経て、98年から現職。2000年に始めた「勤労者こころのメール相談」は23年間で相談件数17万件に達する。日本医師会認定産業医。日本心療内科学会評議員。

まず、うつ病から社会復帰できたということはとても素晴らしいことです。復帰先の上司が理解をしてくれていることも、大きな安心材料といえます。

うつ病を知られるのが怖いと思うこと自体は、自然な感覚です。少なくはなりましたが、悲しいことに、うつ病などに対していまだに偏見を持っている人はいます。病名ばかりが独り歩きし、あなたが傷ついたり、不利益が生じる可能性も否定できません。ですから基本的には、言いたくない気持ちがあるならば、無理に言う必要はありません。上司にその気持ちをきちんと伝え、働きやすい職場になるよう引き続き力を貸してもらってください。

管理職側は、安全配慮義務の観点からも、ある程度状態を把握しておく必要があります。うつ病は、社会復帰後も、しばらくは通院など継続的な治療が必要な場合がほとんどです。治療と就労を両立させるためには、病状に合わせ業務内容の見直しを図るなど、会社側の配慮が不可欠です。

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