■人材確保支援助成で対応
派遣労働者の賃金決定に用いる2024年度の一般賃金水準に誤りが判明した問題で、厚生労働省は労使協定を締結し直した場合の経済的支援策を決めた。人材確保等支援助成金に暫定措置を新設し、今年度内に再協定により差額を補った派遣元事業主に、基本経費として定額5万円と派遣労働者1人当たり1万円を加えた額を助成。制度改正の審議では、使用者側委員が「政府のミスに雇用保険二事業財源で対応することに納得できない」と注文をつける場面もみられた。
厚労省が6月7日の労働政策審議会労働力需給制度部会に、再協定を行う派遣元への支援策を提示。人材確保等支援助成金に暫定措置を新設することを了承し、職業安定分科会の審議を経て6月中にも公布・施行することを確認している。
派遣労働者の賃金を決める方法は、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2通りあるが、労使協定方式に用いる24年度一般賃金水準で記載ミスが発覚。434カ所分の職業安定業務統計の「ハローワーク別地域指数」のうち、事務処理で275カ所に誤った指数を記載していた。
指数を参照して24年度の労使協定をすでに締結している派遣元も少なくないことから、厚労省は指数を訂正した上で経済的支援策を講じることを提案。協議の再開・協定の再締結、賃金規程や給与システムの改定など、通常であれば生じない作業を追加的に強いられる負担を軽減する狙いだ。
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