■化学物質の自律的管理が全面施行(小林洋子 安全衛生部長)
近年の労働災害の発生状況を見ると、労働災害による死亡者数は減少しているものの、労働災害による休業4日以上の死傷者数については、増加傾向にあります。これは労働災害発生率が高い高年齢労働者が増加しているほか、我が国の大半を占める中小規模事業場において安全衛生に関する取組が必ずしも十分とは言えない状況があることなどが要因と受け止めております。
また、精神障害による労災認定件数は年々増加しているとともに、何らかの疾病を抱えながら働く労働者も増加しています。こうしたことを踏まえ、メンタルヘルス対策の強化を含む産業保健活動を推進していく必要があります。
さらに、化学物質による健康障害の防止や石綿使用建築物の解体等工事に係る対策の着実な実施が必要となっております。
これらの課題に対応するため、2023年度を初年度とする「第14次労働災害防止計画」において、中高年齢の女性を中心とした労働者の作業行動に起因する労働災害防止対策、高年齢労働者の労働災害防止対策、業種別の労働災害防止対策、労働者の健康確保対策の推進、化学物質等による健康障害防止対策の推進等、8つの重点事項を掲げ、重点事項ごとの取組を推進しております。
高年齢労働者の労働災害防止対策を推進するため、「エイジフレンドリーガイドライン」に基づく対策を実施する中小事業者等に対する支援を行います。特に、中高年齢の女性労働者を中心に転倒等の増加が顕著であることから、作業場所の床や通路の躓き対策等と併せて、スポーツの習慣化等を通じた労働者の身体機能の維持向上の取組を推進していきます。
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