まずはヒトと人の違いから。前者は生物種のホモ・サピエンスとして、後者は社会の中で生きる『人』として大別する。
生まれたからには必ず死は訪れる。老いることは即ち死に直面し、膨大な時間軸の中で、進化が現在の生物を作ったという事実に気付かされる。
ヒトとチンパンジーの遺伝子は98.5%が同じであり、著者は自然界におけるヒトの寿命はおよそ55年程度と類推し、ヒトは社会的営みによりさらに長い老後を獲得した。年齢で線引きすることなく、経験・知識・技術などに秀でた『シニア』こそ、少子高齢化の中で重要な役割を担えると推奨する。人生の後半、人としての幸せを追求したい。