■社会保険適用前の手取額担保
厚生労働省はこのほど、年収106万円の壁の対策として創設したキャリアアップ助成金の「社会保険適用時処遇改善コース」の手続を開始した。改正雇用保険法施行規則を公布・施行し、10月1日に遡って適用する。3メニューとも、社会保険を適用しても手取が減らない年収を担保することが要件。負担は小さくないが、申請人数の上限なしに1人最大50万円が支給されるメリットは大きい。
10月20日付けで公布・施行した改正雇用保険法施行規則で、キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を遡及して創設。キャリアアップ計画書は、取組開始日前日までに管轄労働局に提出することが原則だが、10月1日から1月末までに手当の支給を就業規則に規定した場合などは、1月末までの事後的な提出を認める。
新コースでは、①手当等支給メニュー、②労働時間延長メニュー、③併用メニューと3つのメニューを用意する。雇用保険適用事業所であれば、企業規模に関係なく利用が可能。ただし、新たに社会保険が適用されるまでの非正規労働者として雇用された継続期間が、6カ月以上であることが必要になる。
3メニューいずれも、社会保険を適用しても手取が減らないように、賃上げや手当の支給か、労働時間の延長で3年以内に年収を増加させることを要件に求める。労働者1人当たりの助成額については、大企業だと4分の3に縮減されるが、最大で50万円を支給。事業所ごとの申請人数に上限を設けていないので、パート・アルバイトを多く雇用する企業のメリットは大きい。
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