■パワハラ加害者として不適切 申告者に精神的圧力加える
老人ホームの施設長が、部下職員からのパワーハラスメント申告を受けて設置された調査委員会の調査に非協力的な態度をとり、申告者である職員らに接触したことなどを理由として解雇された事案です。他にも解雇理由はありますが、パワハラ加害者の調査協力義務違反を認定した判決として意義があります。
■事件の概要
原告は平成29年4月19日から令和元年6月10日まで、Xグループが運営する老人ホームにおいて施設長を務めていました。施設では、利用者からの苦情や施設職員から原告によるパワーハラスメントの訴えがありましたが、会社は原告に対して特段厳しい処分を行うことはなく、同年6月11日付で東京本社へ異動させました。
令和2年4月、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか病院で面会禁止が採られているにもかかわらず、原告は同グループ創始者である会長の親族からの依頼を受け、病室を訪問。この訪問について病院側から厳しい叱責を受けたことから、会社は原告に報告書の提出を求めましたが、原告はこれを拒否しました。
令和2年7月には原告が施設長を務めていた施設の職員らが、原告のハラスメント行為が放置されていたことは職場の安全配慮義務違反に当たるとして、調査および被害者に対する救済措置を求める文書を会社に提出。これを受け、会社は弁護士4名からなる調査委員会を設置。同年9月から10月にかけて施設職員へのヒアリングを実施し、その結果を原告に通知しました。
原告は、ヒアリング内容をおおむね否認する書面を提出する一方で、調査委員会とは別に、自ら依頼した弁護士2名に施設関係者へのヒアリングを依頼。調査委員会に知らせることなく施設関係者に接触し、原告と弁護士が確認を行いました。

これらの事実を把握した調査委員会は、原告に対し説明を求めましたが、原告からの回答は提出されませんでした。
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