
2013年1月、日本銀行は「物価安定の目標」に、前年度比2%の消費者物価上昇率を設定。異次元緩和により国債を大量購入し、16年からマイナス金利政策を導入したが、デフレ経済からの脱却は困難を極めた。
著者は著名な経済学者だ。中央銀行の独立性、株式市場の安定を優先する金利政策など様々な問題点を指摘。日銀の長期的な金融緩和政策とともに、現在の異常な円安を放置した為替政策を痛烈に批判する。
インフレに便乗して企業利益を増大させ、輸入物価が下落しても還元せず、生産性向上を伴わぬ「悪い」賃上げを総じて強欲資本主義と糾弾。AIを含めた新たな成長戦略が今こそ求められている。