火曜日, 5月 13, 2025
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住民運動の記録出版 野田契子さん(元原告団代表)㊤ 

■おんな流 おとこ流~仕事を訪ねて~(71)

出版した『あきらめない』を愛おしそうに見つめる野田さん(2025年4月10日、岐阜県中津川市福岡の自宅で)

岐阜県中津川市福岡に計画された産業廃棄物中間処理施設建設に反対し、原告団代表として岐阜県の設置許可取り消しを裁判で勝ち取った野田契子さん(79)。今年1月、12年間の住民運動の記録を冊子『あきらめない』にまとめた。(井澤宏明)

野田さんの自宅は、木曽川に注ぐ付知(つけち)川の支流・柏原川の渓流のほとりにある。伏流水が豊富な柏原川はアジメドジョウやアマゴなどの魚が豊富で、6~7月にはホタルが乱舞し、カワセミやヤマセミ、オオルリなど多くの鳥が訪れる。周囲では山野草が可憐な花を咲かせる。

そこから約300メートルの至近距離に産廃中間処理施設の建設が計画されていることを野田さん夫妻が知ったのは2010年1月のこと。既に県の設置許可が09年11月に下りた後だった。

それをきっかけに住民運動に携わった経験もなかった野田さんの奔走が始まる。

市への情報公開請求で理不尽な手続きの過程を次々と明らかにし、300人もの住民を集めた大集会を開催。「むしろ旗」を掲げて県への設置許可撤回要請も敢行した。嫌がらせにも遭いながら10年7月、県に設置許可取り消しを認めさせた。

■「あきらめない」学ぶ 

ところが13年12月、環境省の裁決により県の設置許可取り消し処分が取り消され、14年6月には、住民175人で原告団を結成し、国と県を相手取った裁判闘争へ。

国への訴えは岐阜地裁、名古屋高裁で棄却されたが、岐阜地裁は22年5月、県に設置許可の取り消しを命じ、県は控訴を断念、裁判は終結した。産廃中間処理施設が計画された地には今、太陽光発電のパネルが並ぶ。

そんな闘いの紆余曲折を自身の12年間の日誌、メモなどを元に106ページにまとめたのが今回の冊子だ。

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