メリット制の適用を受ける特定事業主が、労働保険料の増額を不服として労働者の労災認定の取消を求めた上告審で7月4日、最高裁判所は請求を棄却する判決を言い渡した。原告適格をめぐり原審の判断は割れたが、特定事業主に労災認定の取消を争う資格がないことが確定している。
メリット制は、個別事業場の災害の多寡に応じて労災保険率を40%の範囲で増減させるもの。労働者の精神障害の労災認定を受けて、あんしん財団が保険料増額のおそれがあるとして審査請求却下を経て、労災認定の取消訴訟を提起。東京地裁が2022年4月に訴えを退けたが、東京高裁は法律上保護された利益が侵害され得るとして、22年11月に「特定事業主は労災認定の取消訴訟の原告適格を有する」と1審を覆し、労災認定の判断の審理を東京地裁に差し戻す判決を下していた。
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