デジタル・ディバイドとは、「インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差」のことです。
一般的には、世帯間や年齢層間での格差が問題とされますが、企業内では、とくに高齢層と若年層との間での格差が問題となっています。いわゆるZ世代のように子供の時からスマホやインターネット利用が当たり前で育った世代と、インターネットが普及した時期に十分なデジタル教育を受けなかった世代の格差が原因となって職場の生産性が低迷しているような場合です。
例えば、Zoom等での会議が普及するにつれて、高年齢層の部長や課長がそうした会議に参加できないばかりか、電子メールに返信さえできないといった状況が生じています。
企業間でも格差が広がっています。世帯間の調査では、年収200万円未満の低所得世帯の格差が大きいとの調査結果がありますが、これは企業間格差でも同様のことがいえます。例えば、企業のトップがデジタルに疎く、積極的で無かったために、経営や日常の業務に必須となるIT投資やパソコンの導入が遅れ、ネット環境が不備のままとなっているケースです。
こうしたディバイド(格差)が、国力の低下につながることから、国を挙げて格差解消に向かった施策がなされています。「デジタル庁」の新設等はその表れです。企業においても、デジタル推進室を設置する等して、企業全体がデジタルの活用が当たり前にできるようにインフラを整備すること、あるいは、これまでこうした教育を受けられなかった社員等に対してのリスキリングを施すことが解決につながるのです。