テレワークかオフィスワークへの回帰か、それとも両者を掛け合わせたハイブリッドワークなのか――。コロナ後の働き方のスタンダードをめぐる模索が今年も続きそうだが、働き手のニーズの高いテレワークの成功の秘訣はぜひ押さえておきたい。
2022年度テレワーク推進企業等厚労大臣表彰の優秀賞を受賞したのは、アフラック生命保険(東京都新宿区)だ。全社員がシフト勤務・フレックスタイム制度を活用するなど、ハイブリッドな勤務体制を確立。21年には1年を通じて全社員に占める在宅勤務実施率50%超を達成したほか、残業の削減や年次有給休暇取得率の上昇といった効果もあげている。
労働時間については、勤怠管理システムに表示されるPCのログオン・ログオフ時刻をベースにして管理する。労働時間に含めない、いわゆる中抜けは特に制限を設けず認めており、勤怠管理システムに登録して所属長が内容を承認。社員の申請する始業・終業時間と、勤怠管理システムとの時刻に一定の乖離が発生した場合にはアラートが表示される仕組みで、乖離理由の記載を必須としている。
独自の工夫として、自身・チームの仕事の方法や時間の使い方などに関し、全社員にシステム経由で2週間に1回質問する「パルスチェック」を導入している点。実践の度合いを社員が5段階で回答して、所属長が所属員のスコア平均・推移を確認し、チームの継続的な働き方の改善に繋げている。
22年度表彰で特別奨励賞を受賞したスタッフサービス・クラウドワーク(神奈川県相模原市)では、テレワークで重度障がい者の雇用に特化。業務ごとのチームで働く体制を整え、雑談をルール化するなど「テレワークコミュ力」を強化することで400人の雇用創出を実現した。
同じく特別奨励賞のLAPRAS(東京都品川区)は、通勤がなくなった社員の運動不足解消に重点化。休憩とは別に、運動に1日1時間充てることができる「Raw」を導入した。就労時間として扱える上に、運動以外の昼寝など心身のリフレッシュにも利用できるとあり、社員から好評を得ているようだ。