【働き方改革キーワード】施策効果の検証(赤津雅彦)

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計画→実施→評価といった、いわゆるマネジメントサイクルは、組織運営の基本です。組織は少ない経営資源を効果的に活用するために、実施すべき強化ポイントにお金と尽力を注ぎます。その結果としてえられた結果が、最初に計画したとおりに実施できたかどうかを検証し、次のマネジメントサイクルにつなぎます。

施策を、国全体で行う計画と捉えますと、マネジメント主体である政府が実施した施策が、期首の思惑どおりに実施できて、効果が上がったかを検証し、次の施策に活かすことが求められます。

働き方改革に関しても、矢継ぎ早に国の施策が発表されて、国の予算が振り分けられます。新しい施策には興味があっても、過去に実施された施策が、どれだけ効果があったかが国民にはあまり伝わってきません。

企業組織においてもしかり。企業トップが変わるごとに方針が変わりますと、マネジメント層がそれに従って計画を立ててそれを実施しますが、検証あるいは結果についての評価については、概ね軽んじられることが多いのです。

時代は、検証や効果は双方向で確認する、相互理解的な意思疎通を要求しています。ただ一方的に結果を流すだけでなく、計画する側と実施した側とのコミュニケーションの促進が求められるのです。そうしなければ、いくらサイクルを回しても、資源を浪費するだけで、企業力や国力は低空飛行のままでしょう。


赤津雅彦(あかつ まさひこ)
賃金システム研究所🄬所長 賃金改革のプロ・プラチナ企業育成のマイスター🄬

主な著書:「新訂2版 賃金システム再構築マニュアル」、
「赤津雅彦の賃金改革キーワード」、
「伸びる組織のための人事・賃金基礎講座」等

(注)「プラチナ企業育成マイスター」は登録商標です。