大手企業に対して、社内賃金格差の情報を開示することが義務化されます。日本企業の大半を占める中小企業については、未だに公表は義務化されませんが、むしろ今後は、中小企業の男女間格差が是正されることが、我が国の生産性向上には寄与すること思われます。
施策が成功裏に実施される要件は、(1)計算方法や手続きがシンプルであること (2)対象とする内容が誰もが注目するものであること (3)それがすべての社員に波及することです。
これまで、多くの中小企業の賃金改革にかかわった現場経験から、最初は「部長の賃金水準」に着目することが成功の早道といえます。部長は社員の憧れです。とくに、女性の部長が活躍する姿は、間違い無く優良企業(プラチナ企業)に多く見られます。部長クラスの社員の年収は、その企業の生産性(ひとりあたりの付加価値分析額)と相関関係が強く、部長の賃金水準が公平で高いほど社員全体の賃金水準も高くなります。
男女間賃金格差を本気で世界標準に近づけたいなら、社員が注目する「部長」の男女間賃金格差について究明し、合理性の無い男女間格差を撤廃することを目標とすべきです。