業務の属人化回避【新連載】働き方改革キーワード(赤津雅彦)

23

業務の属人化とは、特定の社員が担当する業務の詳細や進め方が、本人以外理解できていない状況を指します。これは、本来は公であるはずの属人化された業務が、さも自分のものと勘違いすることです。その結果、担当者が転勤した場合や、休暇中にはその業務が滞ってしまう状況となります。

業務の属人化が浸透しますと、顧客からの問い合わせに「担当者が不在のため、追って連絡します」といったことが起こります。こうした事態は、顧客を困らせるだけでなく、担当者がいなければ仕事が回らなくなり、ひいては生産性の低下につながります。最悪の場合、担当者が秘密裏に悪事を働いた場合は、その発見が遅れる等、会社の信用問題にまで発展することがあります。

高度専門職等が行う一部の業務や社長の業務には、該当する個人にしかできないものもありますので、業務の属人化はデメリットばかりではありませんし、社内のすべての業務について、標準化を行い、社内で共有することは難しいこともあるでしょう。

しかしこれまでの「あうんの呼吸」経営の中での業務の属人化は、えてして業務の内容等について明文化が遅れ、私物化される結果、作業効率が低下し、残業時間が増えるばかりか、技能の継承がおろそかになり、組織だった人材育成が遅れ、いつまでたってもチーム力が養われないといったデメリットが顕在化するのです。

赤津雅彦(あかつ まさひこ)
賃金システム研究所🄬所長 賃金改革のプロ・プラチナ企業育成のマイスター🄬
主な著書:「新訂2版 賃金システム再構築マニュアル」、「赤津雅彦の賃金改革キーワード」、「伸びる組織のための人事・賃金基礎講座」等
(注)「プラチナ企業育成マイスター」は登録商標です。