あんてな(2月5日号)

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入試改革の結果、入試の出願時に「主体性」「多様性」「協働性」の3つの言葉を用いた作文が必要とのこと。ネットでは予備校が作成した具体例が満載。作例のほとんどが文化祭と部活を中心に、経験的に書かれている。文化祭に主体的に取り組み、違う意見も取り入れ多様性を重視。協働性を発揮して成功させた。しかし、多様性とは、そんな簡単なものではないだろう。多様性といえば、金子みすずの「みんな違ってみんないい」、にとどまらない▼NHKの視点・論点の伊藤亜紗東工大准教授の多様性定義が腑に落ちた。多様性とは、他者を認めるために、自分が変わること。数値的な評価から余白を持つために、少し距離をおくこと▼五体不満足の乙武洋匡氏をドローンで飛ばしたいという発想がある。最初は驚いたのだが、これこそが、多様性の発揮ではないか。足がないからこそできることがあるのだ。その人だからできることを成し遂げること、そうでなければ世界はいまのままだ。