解雇の解決金が増加の一途 中小労働者の活用「想像以上」

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解雇紛争の詳細が、明らかになりつつある。解決金額は労働審判と裁判で2倍の開きがあるが、紛争当事者に中小零細企業の労働者、男性が多いことは両制度で共通。さらに近年の傾向として、解決金額が増加の一途を辿るほか、女性比率の上昇、勤務期間の短期化も顕著になった。

労働政策研究・研修機構が2020年から2年間に終局した労働審判事案785件、裁判上の和解事案282件を分析・比較した。解決金額の中央値は、労働審判が150万円、裁判上の和解が300万円で、月収表示にすると平均で順に4.7カ月分、7.3カ月分と格差は大きい。ただ総請求金額の中央値は順に約290万円、約840万円となっており、請求に占める解決金の割合は裁判上の和解のほうがむしろ低い。

解決金額に及ぼす要因として、勤続期間については長くなるほど両制度ともおおむね増額する傾向がみられた。一方、年齢や企業規模に相関関係はみられない。裁判上の和解に限れば年齢では「40代」「30代」、企業規模では「1万人以上」「300~999人」の解決金額が高かった。

労働政策研究・研修機構「労働審判及び裁判上の和解における雇用終了事案の比較分析」から
労働政策研究・研修機構「労働審判及び裁判上の和解における雇用終了事案の比較分析」から

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