行動指針を個々の定性目標設定に活用 アイグッズの「人事成長制度」

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佐藤桃香さん

オリジナルグッズを企画・製造するアイグッズ(東京都渋谷区、従業員数60人)は「ものづくりの前に、人づくり」を合言葉に、行動指針を軸に面談や週報・日報を通じたきめ細かいマネジメントや研修で社員の働きがいを高めている。設立7年目だが新卒採用にこだわり、時間をかけてマッチングした人材をマンツーマン体制で育成。人材定着率を高めることで独自性の高い組織や事業展開を目指す。新卒内定倍率は約700倍となるなど就活生にも注目を集める同社の取組みについて、広報・PR担当の佐藤桃香さんに聞いた。

■行動指針 月3つ選択 業務に落とし込み目標へ

バッグやポーチ、文具などオリジナルグッズの企画・生産から検品・納品まで全工程を内製化し、品質・価格面の強みを特徴とする同社では、人の成長を通じて組織力を高める「人づくり」で事業発展を支えている。

60人の従業員のうち正社員は40人弱。そのほかオフィス内に設置するカフェ業務等に従事するアルバイトや、主にデザイン面の専門業務に従事する派遣社員がいる。

評価のためだけでなく人の成長に焦点を当てる独自の「人事成長制度」では、正社員を対象に7つの行動指針(下左表)を軸とした手厚いマネジメントの仕組みをつくっている。

行動指針のほか、「理念」や「ビジョン」などの企業理念を定めている

制度の重要なポイントは、面談と週報・日報による育成支援だ。毎月、マネージャーと社員の1対1で約1時間行う面談では、7つの行動指針から3つを選び、自身の業務に落とし込んで目標を定義する。

「個々の行動指針を日々の業務の行動に落とし込み、毎月の面談のなかで振り返りやフィードバックを行います。定性的な目標に向けた成長のプロセスを支援するため、達成度の測定は主観的な部分も含まれますが、本人とマネージャーの双方の視点をすり合わせながら、目標の達成度合いを総合的な評価にひもづける仕組みになっています」(佐藤さん)

行動指針を軸にした定性的な目標達成度と、業績考課の定量目標とを組み合わせて個々の評価を決めるのが「人事成長制度」だ。定性的な行動指針目標については、概ね3カ月ごとに目標とする指針を変えていき、組織として求められる7つの行動指針を総合的に身につけていく。

「週報」のなかでは、より細かく週単位での行動指針目標の定義と達成度合い結果、振り返りなどを個々の社員が記入する。記入済の週報はSNSツールを活用し、社内であれば誰でも自由に閲覧しコメントできる仕組みにしている点が特徴的だ(上画像)。入社1年目の社員には「日報」として、さらに細かく1日ごとに振り返りとフィードバックを行う仕組みにしている。

「週報・日報を社員全員が見られるのは珍しいかもしれませんが、あえて見られる仕組みにすることで、例えば1年目の社員が『3年目社員はこんな働き方をしているんだ』『こういう考え方で顧客対応しているんだ』などと自主的にインプットする機会にもなります」

■新卒社員の成長支援 1年目は「エルター制」

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