厚生労働省はこのほど、今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会の初会合を開催した。育児支援について所定労働時間の短縮措置や所定外労働の制限の拡充を模索する一方、介護支援では制度の個別周知や雇用環境整備の措置の義務づけなどを検討する見通し。また看護休暇や介護休暇について、有期契約労働者の取得要件緩和も前向きに議論する考えで、5月を目途に報告書をまとめる。
■制度の周知・整備を介護でも
研究会は仕事と育児・介護の両立支援の現状について、調査やヒアリングを通じて課題を把握。制度改善の方向性について5月中にも報告書をまとめ、必要に応じて育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法の次期改正に繋げる方針だ。
研究会の初会合では、厚労省が「育児の両立支援制度」「介護の両立支援制度」「次世代支援対策」と3つの検討課題の案を提示。特に、育児に関して「育児休業」「子の看護休暇」「子育て期の長時間労働の是正、柔軟な働き方」、介護に関して「介護休業」「介護期の働き方」「介護に関する両立支援制度の周知の在り方」と論点を示しており、議論は広範囲に及ぶことが予想される。
論点が多岐にわたるため、現時点で具体的な制度改善の道筋は見通しにくい。ただ法改正時の国会の附帯決議や規制改革実施計画、さらには全世代型社会保障構築会議が昨年末にとりまとめた報告書と、初会合での参集委員による自由討議の内容を併せて読み解くと、検討の方向性が浮かびあがってくる。
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