会社主導の配置転換ではなく、社員自ら異動先を選択できる「MYパーパスキャリア制度」をSOMPOひまわり生命保険(東京都新宿区)が4月から導入する。自身の人生の目的や働く意義を意味する「MYパーパス」を基点に、個の自律的なキャリア形成を支援する取組みだ。人財開発部人事グループの平田啓輔さんと酒寄寛也さんに話を聞いた。
■想いやスキルを開示 共感した部署がオファー
従来の人事異動と大きく異なるのは、社員の情報発信が起点になることだ(図)。
まず社員がMYパーパス、知識・スキル、経験、実績などを社内開示し(①)、開示内容に共感する部署が社員へオファー(②)。社員はオファー部署のなかから異動先を選択できる(③)。どのオファーも受けない選択も可能。
オファー情報の整理など人事グループが事務局的な役割で間に入るが、書類選考などを実施することはなく、本人と部署間の直接のやり取りに委ねる。初導入の4月には、まず数十人規模の異動を目指す。
これまでも特定部署への応募制はあったが、今回の制度では社員側の選択をより重視し、その情報開示が重要なポイントとなる。
「自分と違う部署で、あるいは別の地域でどんな人が働いているのか、これまでは詳しく知ることがなかった。MYパーパスや仕事内容、スキルなどを開示することで、『こんな人がいるんだ』『こういう想いで仕事をしているんだ』と社員同士や部署間で多様性への理解を深めることが、異動だけでなく、例えば学びやスキルを深めていくモチベーションといったプラスの刺激になればと考えています」(平田さん)
開示情報は業務内容だけでなく、趣味や特技など多様な項目もある(下図)。MYパーパスを含め、開示するかどうかは個々の社員の任意だ。社内イントラネットで共有し、全社で閲覧が可能となっている。
■「MYパーパス」で考える 人生の目的や働きがい
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