労働条件明示 異動の範囲を追加へ 転換申込機会・更新上限も

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労働政策審議会労働条件分科会はこのほど、労働契約法制の見直しの方針を報告書にまとめた。労働契約関係の明確化や、労働契約法に規定する無期転換ルールのさらなる活用促進のため、労働基準法に基づく労働条件明示の実効性の強化を提案。就業場所・業務の変更といった異動の範囲のほか、無期転換申込みの機会や更新上限の有無などを明示事項に追加する一方で、労働条件変更時の明示の拡充は断念した。

■変更時の明示は断念

労基法15条では紛争の未然防止のため、労働契約の締結に際して使用者が労働者に対し、賃金や労働時間など主要な労働条件の明示を義務化。併せて労基法施行規則で、「労働契約の期間に関する事項」など具体的な明示事項を列挙している。

労働条件の明示(労働基準法15条)、栃木労働局HP

報告書はまず労働契約関係の明確化について、いわゆる15条明示事項に「就業場所・業務の変更の範囲」を追加すべきと明記。また労働契約法4条の「労働契約の内容の理解の促進」の趣旨を踏まえ、契約内容の変更のタイミングで当該変更内容をできる限り、書面で明示するよう使用者に促すべきと訴えている。

これに対して、15条明示のタイミングに「労働条件の変更時」を追加することは断念。就業規則についても、備え付けの場所を示すなど容易に確認できることが必要な旨を明らかにすべきとしたが、さらなる周知の具体策は引き続き検討するとの記述にとどめた。

報告書から、黄色マーカーの強調は編集部

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