厚生労働省は10月26日、労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会の初会合を開催した。労働保険料の認定決定に対し、負担の増大に不服を持つ「メリット制」適用事業主が争う手続的保障の充実を図る方針が示されている。
メリット制は、事業の種類ごとに設定する労災保険率について、個別の事業場の災害の多寡に応じてプラスマイナス40%の範囲で増減させる制度。連続3年度間の保険料額に対する納付額の割合によって労災保険率が変動することで、事業主の保険料負担の公平性を確保するとともに、災害防止努力の促進を図る目的としている。
ただし現行制度下では、適用事業主には労災保険給付支給決定に関する争いの当事者となる資格はなく、支給決定の要件該当性に関して主張することが認められないと考えられている。仮に訴訟に発展して支給決定が取り消されると、被災労働者に生じる不利益は極めて大きく、法的安定性を損なってしまうというのが現行の解釈だ。
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