社会保障審議会年金部会は10月25日、公的年金の次期制度改正に向けた議論を開始した。公的年金の財政検証を2024年までに実施した上で、25年に制度を見直す関連法の改正案を国会に提出する見通し。被用者年金のさらなる適用拡大に向けた企業規模要件の撤廃、所得再分配機能の維持・強化のための保険料拠出期間の45年への延長、マクロ経済スライドの調整期間や発動要件の見直しのほか、遺族年金やモデル年金世帯などについても幅広く検討する方針だ。
この日の年金部会で、25年を予定する制度改正に向けた議論を開始。20年の前回改正で手当できなかった事項を中心に検討を進めるが、なかでも「被用者年金のさらなる適用拡大」「所得再分配機能の強化」が議論の大きな焦点となりそうだ。
まず被用者年金のさらなる適用拡大では、24年10月に「50人超」へと引き下げることが決まっている企業規模要件の撤廃について検討。約125万人が新たに適用されると試算しており、年金の給付水準を改善させることは必至。加えて賃金要件も、撤廃もしくは「月額賃金8.8万円」の引下げについて議論する。
また個人事業主の事業所についても、適用業種の拡大を模索。具体的には、強制適用となる5人以上の事業所に対象を絞り込み、飲食業や宿泊業などが追加できないかコロナの影響も勘案しながら検証する見通しだ。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。