情報開示と対話が信頼を生む バーテック「ブラシで世界を変えよう」【後編】

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「働きがいのある会社」ランキングで小規模部門全国4位と注目を集めるバーテック(大阪市、従業員数33人)が進める理念やフィロソフィに基づく「全員参加経営」について前編で紹介した。末松仁彦社長は「理念は単なる言葉でしかない。日々の仕事の中でそれをいかに具体化していけるのか、その仕組みと実践が大事」と力を込める。従業員一人ひとりの働きがいのカギとなる「信頼」を生み出すためには何が必要なのか、さらに詳しく聞いた。

末松仁彦社長

■ガラス張りの経営「人を活かす数字を」

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に人類・社会の、心と技術における進化発展に貢献する。」との同社理念を、50の項目でより具体化した「バーテックフィロソフィ」を策定したのが2014年。その翌年から始めたのが「ガラス張り経営ミーティング」(写真)だ。

毎月継続している「ガラス張り経営ミーティング」。コロナ禍以降はオンラインを含めたハイブリッド型で開催している(写真提供:バーテック)

「全員参加経営のためには、従業員と経営層・管理職との間の信頼関係が大事です。それをつくっていくために、給与以外の会計情報、資産や利益、貸借対照表などを科目明細に至るまで全社員に公開。新入社員でも、例えば社長がどこで何にお金を使っているかが分かります」

一方、経理情報を開示してもそれが何を意味するのか理解するためには一定の訓練が必要だ。毎月1回のペースで継続する同ミーティングでは、会社の利益目標の根拠や課題なども詳らかに解説する。

「従業員にとって、自身の仕事や行動を最終的に決算書による数字で実証できる機会でもあります。リーマンショック後の苦い経験のように、人を管理して縛るための数字ではなく、やりがいを感じてもらうため、数字で人を活かすことを目指していきたい」

さらに同じく15年から取り組みを始めたのが、毎年1回の「事業発展計画発表会」だ。特徴的なのは、全従業員だけでなく取引先事業者や金融機関、顧問弁護士・税理士、また商品の取引だけでなくサポートを依頼している事業者を含め、多様なステークホルダーとの対話を重視している点だ。

「私が話すだけでなく、各部門の管理職も全員発表しています。コロナ禍以降はネットとのハイブリッド型で開催し、ITの活用でリアルタイムに意見や感想などを発信できる仕組みにするなど、パートナー事業者の方も参加型で、課題を含めて積極的に提案いただくことを目指しています」

■全員参加のフィロソフィ 信頼は成果につながる

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