育休、治療、社会貢献など個の生き方支援 テックファームHDの最大60日間積立有給休暇

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ITシステム開発のテックファームホールディングス(東京都新宿区、従業員数251人)は6月から、未消化の失効有給休暇を最大60日間利用できる積立有休制度を導入した。利用範囲は育休や不妊治療、能力開発、ボランティアのほか、更年期症状や性別不合に関する治療、子の学校行事など幅広い(表)。制度づくりのプロセスから見えるのは、一人ひとりの「やりたい」との思いを実現しようとする組織文化だ。それを支える心理的安全性確保の取り組みについて、人事部の洲﨑由佳部長と岡本和也さんに話を聞いた。

人事部の洲﨑由佳部長(左)と岡本和也さん

■LGBTQ支援から 多様性がシナジー生む

「ウェルネス」を目的とした積立有休制度の概要

同社の年次有給休暇は法定通り6年目以降は年20日付与。新制度では2年を経た失効有休を、年最大5日ずつ積み立てることができる。最大60日の積立有休に失効期間はない。

「導入のきっかけの一つはある社員から、女性の生理休暇にあたる、LGBTQ(性的少数者)向け休暇を作ってほしいとのリクエストでした」と岡本さんは話す。

同社では以前からLGBTQの背景を持つ社員が在籍。ジェンダーなど属性に関わらず能力を発揮できるフラットな社風があるという。

産休・育休後の復職率は性別を問わず100%であり、時短勤務をはじめライフステージに沿ってキャリアを継続できる制度も整備してきた。

一方、業務によって制度の活用や有休消化に偏りもあった。今回の制度づくりの背景について洲﨑部長はこう話す。

「システム構築を受託する業務上、プロジェクトによっては普段有休をとりづらい人もいます。そうした人であっても有休が失効して終わりではなく、将来の育児や病気、介護への備えや業務の区切りでのスキルアップなどで活用できるよう設計しました」

同社の有休消化率は80%と高水準だが、人によって消化率に偏りがある現状を補填する意味もある。能力開発や定年後の準備、ボランティアなどを加え、利用範囲は広く「ウェルネス」を目的とした。

生活の質を高める「働きやすさ」とともに、スキルアップや社会活動など「働きがい・やりがい」支援を利用範囲に含めた狙いについて、洲﨑さんはこう指摘する。

「専門性を持ったプロフェッショナルの集まりとして、ビジネスの成長を実現していくために、多様な人やアイデアが生み出すシナジーを大事にしています。採用面でも、地域やジェンダー、学歴・職歴、国籍の制約をなくした『フリー採用』を実施しています」

■育休取得“お金”が壁に 積立有休で長期でも

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