育児体験 希望する若手にママ社員が協力 産休後復職率100%のランクアップが新制度

121

2人の娘を保育園と小学校へ迎えに行き、1人を習い事へ送って帰宅後、洗濯物を畳み、夕飯の準備の合間を縫って習い事のお迎えに――。分刻みで進む先輩社員の育児の日常を若手社員が体験することで、育休を選択肢に含めた長期のキャリア形成を支援しようと、ランクアップ(東京都中央区)が「育児体験制度」を始めた。社員の約4割が子どもを持つママ社員である同社は、産休・育休後復職率100%を実現している。その背景には何があるのか、広報部の東愛部長と同制度発案者の小林みかさんに聞いた。

広報部の東愛部長(右)と制度発案者の小林みかさん

■食事にお風呂、宿題、遊び相手… 育児実践に驚きと手応え

夕食後、男の子をお風呂に入れる入社6年目の徳永光佑さん(右)。入浴後は髪を乾かし、野球遊びの相手へと「体験」は続く(写真提供:ランクアップ)

「マナラ化粧品」の開発販売などを行う同社の企業理念は、「たった一人の悩みを解決することで、世界中の人たちの幸せに貢献する」。従業員104人の約8割が女性社員で、その約半数の40人以上が子どもを持つママ社員だ。

創業以来、産休・育休後復職率100%を維持する女性活躍の取り組みは、メディアでも注目されてきた。今回の「育児体験制度」を導入したのも、コロナ禍で育児をしながらテレワークで働く同社のママ社員がテレビで紹介され、それを見た若手男性社員の一言がきっかけになったと小林さんはこう話す。

「知識では知っていたけど、こんなにも大変なのかと衝撃を受けた――という趣旨の若手男性社員の言葉を、そのママ社員がチャットグループで社内共有してくれました。私も結婚や出産は経験していませんが、そのように感じる若手社員は多いのではないかと、体験制度を企画しました」(小林さん)

4月には入社6年目の男性社員、5月には入社3年目の男性社員が育児体験を希望し実施。その模様はテレビ朝日やNHKの番組でも放映された。

ママ社員が退勤する午後4時~5時ころが「体験」のスタート。冒頭に紹介した入社3年目の男性社員の例では、1歳と6歳の娘のお迎えと習い事の送迎、その合間で洗濯物の片付けに夕食の準備と、息つく暇もないタイムスケジュールが見て取れる。夕食は、1時間以上かけてゆっくり食べさせるのが日課だ。

もう一方の入社6年目の男性社員は、5歳と7歳の男の子を小学校や保育園にお迎え後、まず手洗いをさせるのに一苦労。夕食のナポリタンの準備に時間がかかり、先輩ママ社員からは「21時までにはお風呂に入れないと…」。入浴(写真)後は、宿題のドリルの手伝いに野球の遊び相手と、夜遅くまで「体験」は続いた。

男性社員らからは「一秒も休まる暇がなかった」「名もないToDoがありすぎる」という苦労の言葉とともに、「実際に育児を体験できたことの意義は大きい」「女性が担っているのを“手伝う”のではなく、最初から“一緒にやる”という意識が大事」と手応えを語る言葉が聞かれた。

■会議で反対意見も 企画実現へ挑戦

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン

14 + seven =