障害者の就業が困難な業種の雇用義務を軽減する除外率制度が、次期制度改正の最大の争点になりつつある。一律10㌽下げの厚生労働省案に、経済界が猛反発している。
除外率制度は1976年に創設されたが、雇用機会をせばめるとの問題意識から02年に廃止が決定。ただ激変緩和の観点から段階的に縮小することで残され、04年4月と10年7月に一律10㌽引き下げられてはいるが、表の通り設定されたまま現在に至る。
設定業種として、実雇用率の計算で除外率相当の労働者数を控除できるメリットは大きい。仮に1千人規模の企業だと、除外率0%の業種が義務づけられる障害者数は「1000×2.3÷100」で23人。一方、除外率20%の業種は「(1000人-200人)×2.3÷100」で18.4人となり、雇用義務数は端数切り捨てで18人となる。
次期制度改正時に一律10㌽引き下げると、現行5~10%が設定される9業種が0%となり、残る業種の負担感も増大する。例えば20%が10%になれば、雇用義務数は18人から20人へと増える。
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