健康の多様性に向き合う 「キャリアを止めない」双日の女性健康支援

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婦人科専門医による診察風景。双日の社内診療室では、悩みを抱える社員への診察・処方・相談などに対応する(写真提供:双日)

総合商社の双日は4月から、子宮頸がん・乳がん検診を従来の35歳以上から全年齢へ対象拡大し、月経・更年期症状などを診る婦人科専門医の社内診療室への配置、不妊治療の相談窓口体制の構築など女性社員の健康支援施策を新たに始めた。多様性(ダイバーシティ)の観点から男性中心に偏っていた健康対策を見直し、外部専門家と連携しながら、性別問わず一人ひとりの健康とキャリア継続の両輪で成長を支援する健康経営の職場実践について、人事部健康推進室の衛藤紀江室長、岩田勇也上級主任に聞いた。

■メタボは主に男性の課題 女性の健康タブー視せず

人事部健康推進室の衛藤紀江室長(左)と岩田勇也上級主任

「例えばメタボ対策は、男性が対象となることの多い健康対策を示す一例です」と衛藤さんは指摘する。

メタボリックシンドローム(予備群含む)の割合を男女別にみると、20代では男性18・5%/女性0%、30代では男性24・2%/女性2・8%、40代では男性42・6%/女性6・7%と、圧倒的に男性の課題であることが分かる(2019年国民健康・栄養調査報告)。企業の健康対策で最も一般的なメタボ対策を例にしても、主に男性の課題が社会全体の課題であるかのように思い込みがちだが、婦人科の健康問題は多い。同社は女性社員も増えてきた。

「総合商社は男性中心のイメージもありますが、双日では女性の採用が増えており、採用比率は総合職と事務職をあわせると男女比がほぼ半々になっています。これまで女性の健康対策は話題に上がる機会が多くはなかったですが、様々な年代で女性ならではの健康課題にもフォーカスし、キャリアを止めずに活躍できるベースとなる健康を支援していきたい」(衛藤さん)

そのために社外との連携にも力を入れる。女性の健康をベースにダイバーシティ&インクルージョン推進を支援する株式会社Cradleとサービス利用契約を締結。医師や専門家によるオンラインセミナーの開催や不妊治療の相談体制整備など、マネジメント層を含めた職場全体の理解浸透、社員の家族を含めた支援体制を構築している。

■予想を上回る婦人科診療予約 「気軽に相談できる場を」

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